N高等学校 オンライン取材記事①【浜口水産】

本記事の内容は、N高等学校(角川ドワンゴ学園)の生徒が宮古島市伊良部島にある「いらぶ大橋 海の駅」の出品事業者にオンライン取材を行い、作成したものです。
N高等学校は沖縄県うるま市伊計島に本校を持つ私立通信制高校です。課外授業の一環として、職業体験・ワークショップを行っています。
※本企画は中小企業庁 共同協業販路開拓支援事業「宮古島市における観光BuyLocalによる地域エコシステム構築事業」の一環で実施されました。

目標は廃棄食材0!伊良部のかつお土産。お取り寄せも♪
【浜口水産】

皆さん、「かつお」と聞いたらどこを思い浮かべますか。
ぱっと思い浮かぶのは高知などでしょうか。今回ご紹介するのは高知ではなく、沖縄県伊良部島のかつおです。

この島のかつおに惚れ込んで、引っ越しまでしてしまった浜口水産の代表取締役・濱口美由紀さんに話をお聞きしました。本記事では濱口さんが手がけた「とびだい」と「鰹ちゅう汁」をメインにご紹介します。

左が濱口博至さん、右が濱口美由紀さん



かつお漁業の盛んな伊良部島
そもそも皆さん、伊良部島はご存知でしょうか。
伊良部島は下の写真のように沖縄本島の南
西に位置する島です。


実は、鰹節の消費量は、沖縄が日本一なんです!そして、沖縄でのかつおの水揚げは約8割がここ伊良部島にある佐良浜港なのです。



とびだいとは
まずは「とびだい」についてご紹介します。「とびだい」とは沖縄で水揚げされるかつおの中でも特大のものを言い、そこからこの商品名をつけたそうです。通常の鰹節のかつおは2、3kgなのに対し、とびだいは7kg以上のものもあるのだとか。驚きですね!

誕生のきっかけ
とびだいは、その大きさ故に居酒屋などで使いきれないことが多かったそうです。そこで、濱口さんの船の船長が鰹節にする事を提案したことが誕生のきっかけです。

「とびだい」を作る苦労
普通の鰹節は、かつおをせいろに30枚ぐらい並べてゆがきます。それを半身にして中の骨を取り何度も燻します。それに対し、とびだいは1、2枚しか並ばないので、四分の一にして乗せます。特別大きなものは四分の一にしてもなかなか中まで乾かずとても大変だそうです。「みんなやりたがらない作業のため、作るのは伊良部島ぐらいではないか。」と濱口さんは仰ってました。
ちなみに、伊良部島の鰹節は燻すのに「モクマオウ」という沖縄ならではの木を使い、鰹節に強烈な香りをつけます。

オススメの食べ方
濱口さんは、炊きたてのご飯の上に、「とびだい」をのせて、お醤油をかけて食べるのが大好きだそうです。


 

「鰹ちゅう汁」で簡単に沖縄のソウルフードを
次に、「鰹ちゅう汁」の紹介です。



「鰹ちゅう汁」の起源
この商品の起源は、沖縄のソウルフード「かちゅー湯」です。「かちゅー湯」とは、器の中に鰹節、味噌、熱湯を入れて飲む料理です。また宮古島では、さらに生卵を入れます。これを「たつ汁」と言い、 二日酔いや風邪の時によく飲まれているみたいです。
そんな地元の料理を即席で作れるようにしたのが、この商品「鰹ちゅう汁」なんです。これには、国産大豆100%の宮古みそに、鰹節の粉をパウダー状にしたものが、練り込まれています。

「鰹ちゅう汁」の素と生卵だけで、かつおの出汁がよく利いた「たつ汁」の完成



濱口さんの苦労と思い
「鰹ちゅう汁」は、捨てられる鰹節の削り粉の使い道を考えて作られました。ですが、削り粉をパウダー状にするのは、とても手間がかかります。なぜなら、何度も細かくして、ふるいに掛けなくてはならないからです。それでも、「鰹ちゅう汁」を作るのは、伊良部島で水揚げされた魚を、手間がかかっても、余す事なく商品化したいという濱口さん
の思いからです。


おすすめの食べ方
この商品は炒め物に入れたり、沢山アレンジができます。その中で、濱口さんは「鰹ちゅう汁」の素を生野菜につけるのがオススメだと言います。



ちなみに、私は鰹ちゅう汁の中華味を使った味噌ラーメンが絶品だと思いました。アレンジの仕方は無限大です。ぜひ、あなたの好きな食べ方を見つけてください。




別名「勝負汁」
鰹ちゅう汁は、伊良部島では勝負汁とも呼ばれています。勝負をかける時に、生卵を入れて飲むと、免疫力上がり、運気も呼び込めるとか。浜口水産さんは、一食用で販売しています。




今後の展望
濱口さんは2つの思いを持って商品開発しているそうです。1つ目は、伊良部で水揚げされた魚を余すことなく商品化したいという思い。2つ目は、漁師から魚を少しでも高く買い取り、地場産業に貢献したいという思いです。
そんな濱口さん、今後はグルクン(下図参考)やかつおの骨を粉状にしたものを商品の中に入れて、骨粗しょう症の人や、育ち盛りの子供さんがカルシウムをしっかり摂れるような商品を作りたいそうです。

グルクン

また「その時その時感じる、いろんな事をやっていきたいなと思っています。」とも話していました。


取材を終えて
執筆は、N高等学校の平井と近藤が担当しました。
<平井>
最後まで読んでいただき有り難うございました。
濱口さんはとても気さくな方で時間があっという間に過ぎたとても楽しい時間でした。
コロナがおさまったら実際に会いに行ってお話したいです。
最後に、この記事を読んだことで沖縄への興味が少しでも湧いてくれることを願います。

<近藤>
最後まで読んでくださりありがとうございました。今回の取材を通して、浜口水産さんの食品ロスを減らす取り組みも、応援したいと思いました。少しでも、伊良部島のかつおに興味を持ってもらえたら、嬉しいです。


販売場所
今回紹介した商品は、「ましな珈琲」(浜口水産の直営店)や、「いらぶ大橋 海の駅」で
も販売しています。また現地に行けなくても、浜口水産の公式オンラインショップや、楽天からも購入できます。伊良部島のかつおの味を、ぜひお家でも楽しんでください。

<info>
浜口水産株式会社
住所:〒906-0505 沖縄宮古島市伊良部国仲431-1
電話番号 : 0980-74-5056
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